山本弘の作品解説(31)題不詳(雪景色)


 山本弘「題不詳(雪景色)」板に油彩、F4号(33cm×24cm)
 池田憲寿コレクションの一つ。制作年不明。冬の雪景色、白が美しい。右手から雪の積もった坂道が左手へ下りてきているように見えるが、左手に橋が見えることからすると、道に見えるのは川なのだろう。川の横に柵に挟まれた道があり、それが左手で川を横切っているのではないか。中央に何軒かの民家があり、右手に林がある。遠くには雪に覆われた冬の山が見える。曇天も冬の色だ。
 制作年不詳でサインもないが、まぎれもなく山本弘の作品。手が利かなくなってからの作品だろうから30代後半のころの作品ではないか。