吉田秋生『海街diary7 あの日の青空』を読む

 吉田秋生『海街diary7 あの日の青空』(小学館フラワーコミックス)を読む。6巻が出たのが一昨年の夏だった。半年ほど前から書店のコミック売場をひと月に1回くらい覗いていた。以前は庵野モヨコとか南Q太とか、魚喃キリコとかも読んでいたけれど、ここ何年も吉田秋生しか読んでない。
 『海街diary』は昨年映画化されて、それも見たいと思っていたけれどまだ見ていない。このシリーズを読んでいると娘からまたそんな軟弱なマンガを読んでいると非難されるが、いまは娘も近くにいないので誰憚ることなく読んでいる。そういえば、埴谷雄高の『酒と戦後派』(講談社文芸文庫)を読んでいたときも安心して一人嗚咽することができた。吉行淳之介も年取ると映画館へ行って映画を見られないと書いていた。つまらない映画でも声が出て泣いてしまうからと。
 あらすじ。

父の死後、鎌倉に住む母親違いの3人の姉に引き取られた「すず」。中学最後の春、すずに静岡の高校からサッカー特待生の話が来る。進路を自分で決めることの難しさを知り、焦るすずだけど−−…。一方、妹を見守る姉たちにも恋の悩みが。それぞれの心と空模様がリンクするように梅雨を迎えて…!?

 こうして粗筋を写してみると、特に面白そうな要素はない。してみると、『海街diary』の面白さは語りの面白さなのだろう。この調子だと8巻が出るのは来年夏になっちゃうのだろう。気長に待つとするか。