東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスで山本基展が開かれている(3月1日まで)。山本は1966年広島県尾道市生まれ。1995年金沢美術工芸大学を卒業している。
ギャラリーで配布されるちらしから、
浄化や清めを喚起させる「塩」を用いてインスタレーション作品を制作。床に巨大な模様を描く作品は、数日から数週間をかけて一人で描き上げる。また、展覧会最終日には作品を鑑賞者と共に壊し、その塩を海に遷すプロジェクトを実施している。
広いギャラリーの床に塩で複雑な模様が描かれている。使われた塩は108キログラム、山本が一人で8日間かけて描いたという。以前、東京都現代美術館のMOTアニュアル2010でも同じ様な展示を見ている。さらに20年近く前には渋谷のギャラリー ル・デコでも膨大な塩を使った展示を見たことがあった。2回見た個展のうち1回は、特別に設置された2つの壁の間から膨大な量の塩が流れ出ているといった壮大なインスタレーションだった。
今回や東京都現代美術館の展示は長い時間をかけて塩で大きな模様を描き、展示終了とともに跡形無く消してしまうという作品だ。見た者の記憶と写真にしか残らない。潔くも、またある意味贅沢な作品だ。
たった1カ月間のために作られた塩のインスタレーション。ぜひ多くの人に見て記憶してほしい。
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山本基展「原点回帰」
2015年1月30日(金)−3月1日(日)
11:00−20:00(最終日は18:00まで)会期中無休
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ポーラ ミュージアム アネックス
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
ハローダイヤル03-5777-8600
http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/