なびす画廊の加藤隆明展を見る

 東京銀座1丁目のなびす画廊で加藤隆明展が開かれている(10月13日まで)。加藤は1959年福井県生まれ。1981年頃大阪芸術大学大学院美術専攻科修了。1981年京都のギャラリー16で初個展、なびす画廊ではもう12、3回個展を開いている。加藤はなびす画廊の個展ではすべて豚の真皮を使った立体を作っている。真皮の平面を縫い合わせて大きな袋状の立体を作っていたこともあるが、今回は真皮を紐状にし、それを網目に編んで複雑な立体を形作っている。網目を通して重なり合う空間を構成している。
 さて、この豚の真皮だが、長期間保存することはできないという。湿気を帯びてやがて腐敗するとのこと。そのため過去の作品も写真でしか見られない。保存技術も検討してきたが、まだそれには成功していない。
 背景の壁に並べられているのはりんごとキューピーの頭部だ。生のりんごは腐り始めているものがある。腐敗するという点で、豚皮の立体とりんごが響き会っているようだ。





加藤隆明個展
2012年10月8日(月)〜13日(土)
11:00〜19:00(最終日17:00まで)
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なびす画廊
東京都中央区銀座1-5-2 ギンザファーストビル3F
電話03-3561-3544
http://www.nabis-g.com