板橋区立美術館の「池袋モンパルナス展」が良かった


 板橋区立美術館で開かれている「池袋モンパルナス展」が良かった(1月9日まで)。同展のパンフレットより、

 今から約80年前、現在の池袋を中心とする一帯に、アトリエ付き住宅が建設され始めました。画期的なこの物件には、画学生や若かりし日の靉光、麻生三郎、寺田政明、松本竣介らを始めとする画家や評論家、詩人、演劇関係者などが借家人募集のビラや口コミで集まり、彼らは互いの家や酒場で芸術論を交わしました。その中の一人である詩人の小熊秀雄は、この集落を芸術の都、パリのモンパルナスに重ね合わせた「池袋モンパルナス」という詩とエッセイを残しています。
(中略)
 本展では、1930〜1940年代を「池袋モンパルナス」で過ごした画家のうち、板橋区ゆかりの寺田政明、古沢岩美、井上長三郎と彼らの交友の画家、詩人の作品を紹介します。(後略)

 まず小熊秀雄長谷川利行が紹介される。中尾彰は福沢一郎を思わせた。同じく鳥居敏文は香月泰男を連想させた。難波田龍起はまだシュールレアリスムを描いていた。大塚睦も同じく。丸木位里丸木俊靉光、麻生三郎と松本竣介が並んでいる。寺田政明もおもしろかった。エロチックなヌードを描いているという印象の古沢岩美がこんなに良い画家だとは知らなかった。北川民次も野田英夫も一時期ここに住んでいたという。
 本当に良い画家たちが集まっていたのだと改めて知った。カタログも吉井忠の日記が再録されているなど資料が充実していて1,200円という安さだった。
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「池袋モンパルナス展−−ようこそ、アトリエ村へ!」
2011年11月19日(土)〜2012年1月9日(月・祝)
9:00−17:00(月曜休館、ただし1月9日は開館)
観覧料:一般600円、高校・大学生400円
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板橋区立美術館
東京都板橋区赤塚5-34-27
電話03-3979-3251
http://www.itabashiartmuseum.jp/