「表現する葦 吉田哲也・若林砂絵子」展の読売新聞展評


 去る12月4日まで多摩美術大学美術館で開かれていた「表現する葦 吉田哲也・若林砂絵子」展の展評が読売新聞2011年11月21日の夕刊に掲載されていた。筆者は「清」とある。

 吉田哲也(1964〜2005年)と若林砂絵子(1974〜2008年)。若くして死去した美術家2人の展覧会が開かれている。
 吉田の彫刻は、これが美術作品かと思うほどにシンプル。小さなトタン板や針金を折り曲げたり、ハンダ付けしたりした作品が、白い台や壁面にそっと静まっている。シンプルな形や色を用いるミニマルアート風だが、独特な表情があり、作品の実サイズを超えて豊かな空間性を感じる。
(後略)

 この展覧会の吉田哲也についてはこのブログでも紹介した。
多摩美術大学美術館の吉田哲也展がすばらしい(2011年11月3日)
 最近古い書類を整理していたら、1999年1月14日の東京都現代美術館の「MOT アニュアル 1999 ひそやかなラディカリズム」のオープニングパーティーを撮影した写真が出てきた。主催者の挨拶で参加作家たちが乾杯をしている。右から3人目、帽子をかぶりベージュっぽい上着を着ているのが吉田だ。

 この時の作家たちは、ほかに内藤礼、関口国雄、杉戸洋、高柳恵里、丸山直文、中沢研、河田政樹、小沢剛錚々たるメンバーだ。豊穣の年だったのだ。