東京表参道のスパイラル1階のスパイラルガーデンで 菅木志雄展「放たれた景空」が開かれていた(8月27日まで)。菅は岩手県盛岡市出身、1968年に多摩美術大学絵画科を卒業し、「もの派」の主要メンバーとして活動した。2015年には東京都現代美術館で大規模な展覧会が行われた。現在日本で最も評価の高い現代美術の作家だろう。
さて、スパイラルでは壁面に菅のレリーフ様の平面的作品が展示されていた。奥の空間にコンクリートの台座が円形に置かれ、台座に植え込まれた針金がアーチを作って結界のような空間を作っている。これが設置された場所は周囲を緩やかなスロープが取り囲んでおり、そのスロープを登って行けば作品を上から見下ろすことができる。
壁面のレリーフ様の作品を見て、ついで結界空間のインスタレーションを見ていった。残念ながら私にとってはどちらもあまり面白くなかった。レリーフ様の作品は大先輩斎藤義重を造形的に洗練させただけのように見えるし、インスタレーション作品はもう一歩踏み込みがほしい気がする。
コレクターの笹川氏の見解では、どんな作家も最盛期は10年間だと言う。そのことを思い出した展示だった。
なお、六本木の小山登美夫ギャラリーでは菅木志雄展を9月26日まで続けて開催している。
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菅木志雄展「放たれた景空」
2020年8月19日(水)―8月27日(木)
11:00-19:00
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スパイラルガーデン
東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1階