東京国立近代美術館の「ぬぐ絵画」がおもしろい


 東京国立近代美術館の「ぬぐ絵画」がおもしろい。副題が「日本のヌード 1880−1945」つまり幕末から終戦までのヌード絵画史だ。NHK日曜美術館でも取り上げられ、朝日新聞でも11月30日の夕刊で紹介された。
 黒田清輝萬鉄五郎、中村彝、甲斐庄楠音、村山槐多、梅原龍三郎古賀春江熊谷守一安井曽太郎小出楢重らの裸婦像が展示されている。いままで過去の古い裸婦像だと思っていた作品が、会場構成と詳しい解説でこんなにもおもしろく見られるのかと感心した。
 新書を二回り大きくしたくらいの小型のカタログも内容が充実している。いつもカタログなど買わないのに、これは買ってしまった。

 この作品は中村彝の「少女裸像」1914年(大正3年)の油彩。モデルは新宿中村屋の創業者相馬愛蔵、黒光夫妻の長女俊子15歳。娘にカタログを見せると、15歳の裸なんて今だったら都条例違反だよ、それが850円(入場料)で見られるなんて安いね。でもこの体はどう見ても中年の女の体だよ、と。これっ。
       ・
「ぬぐ絵画−−日本のヌード 1880−1945」
2011年11月15日(火)−2012年1月15日(日)
東京国立近代美術館