東電OL殺人事件の再審の可能性

 東電OL殺人事件のネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者が裁判のやり直しを求めているが、被害者の体から採取された精液のDNA鑑定の結果、再審の可能性が出てきたという。
 筑摩書房のPR誌「ちくま」には佐野眞一のコラム「テレビ幻魔館」が連載されており、9月号は「ゴビンダは無罪」というタイトルだった。こんなことが書かれている。

 もし、この事件が裁判員制度のもとで裁かれたなら、ゴビンダは間違いなく無罪だった。なぜなら、東電OLを殺害後、その現場から直線距離にして5メートルと離れていない部屋で11日間も過ごせる男など、「ハンニバル」のレクター博士のような殺人鬼でもない限り、およそ考えられないからである。
 その間、十分高飛びできる時間はあったのに、ゴビンダはそれもしなかった。それどころかオーバーステイで捕まることを覚悟して渋谷警察署に自ら出頭して行っているのである。
 こんな従順な殺人者など見たことがあるだろうか。

 私も佐野眞一「東電OL殺人事件」(新潮文庫)を読んで、ゴビンダさんの無罪を確信した。再審が行われ、無実の判決が出ることを祈る。先日有楽町のマリオン前の広場で、ゴビンダさんの奥さんとお兄さんが参加して支援者の人たちが署名活動を行っていた。
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東電OL殺人事件の受刑者ゴビンダ氏の強さ(2011年8月7日)
東電OL殺人事件のこと(2011年7月31日)

東電OL殺人事件 (新潮文庫)

東電OL殺人事件 (新潮文庫)