ギャラリー現の井上修策展「多様性の柱」は見る者を欲求不満にさせる

 井上修策展が銀座1丁目のギャラリー現で開かれている(12月11日まで)。
 ギャラリーに入ると床に白い柱が1本横たえられている。木口に絵が描かれているようだ。作家に聞くと、柱と見えたのは3,500枚のドローイングを重ねたものだという。毎日10枚のドローイングを350日描いた結果なのだ。壁にiPodが掛けられていて、その3,500枚の絵が2秒間隔で映し出されている。その1枚1枚がとても魅力的なのだ。もっと見たいと思っても全部見るのに2時間もかかるらしい。iPodのモニターで見る以外に展示する予定はないと言われた。モニターで見る限り優れたドローイングだ。しかし実際に実物を見たい。これではまるで30メートル先でストリップをしているのを見せられているみたいだ。見る者を欲求不満にする展示だと書いた所以だ。
 井上修策は毎年この時期に個展をしている。毎回全く違う展示をするのだが、深いところで通底している。井上は連続だと言う。毎年この時期の井上の個展を楽しみにしてきたが、期待を裏切られたことがない。想像力の豊かな優れた作家だと思う。
 井上に断って展示風景を撮影させてもらったのだったが、パソコンの具合が悪くて表示することができない。手間でも画廊に足を運んで見てほしい。井上の作品は実際に見なければその魅力がわからないだろう。しかもインスタレーションだから真の再現は難しいのだ。
※その後パソコンの不具合が直ったので画像を紹介する。


床に並べられたドローイングの柱

壁に掛けられたiPodのモニター、これは一覧設定にして見せてくれたもの


井上修策展「多様性の柱」
2010年12月6日(月)〜11日(土)
11:30〜19:00(土曜日は17:30まで)


ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3階
電話03-3561-6869
http://www.jpartmuseum.com/g_gen/