僧侶募集の不思議な求人広告


 不思議な求人広告がある。正に3行広告だが、写真左端の「円満院」の「僧侶(真言宗)」の広告だ。「有資格者」に限る・委細面談、あとは電話番号のみ。先日の読売新聞に載っていた。いや、これだけ見たら何も不思議なことはない。寺が僧侶を募集しているだけだ。
 私は2006年末で不当にも職を失い、それ以来ハローワークや新聞広告、求人雑誌などで仕事を探していた。最初の1年間は全く仕事がなかった。2年目になって派遣の仕事が与えられた。派遣の契約期間は数日から2週間、1か月、3か月といった内容だった。それらを続ける内に3年目、つまり去年から何とか安定した仕事が与えられるようになった。
 この僧侶募集の広告を見つけたのは2007年ころだった。気が付くと朝日新聞と読売新聞に同一内容で毎週掲載されていた。2009年の春頃までは変わらず載っていたが、それから1年以上求人広告を見ていなかった。先月久しぶりにあの広告はまだ載っているかと朝日と読売を調べたらどちらにも見あたらなかった。ようやく坊さんが見つかったのかと思っていた。翌週もやはりなかった。それがまた掲載されている。やっと見つけた坊さんが早々に退職してしまったのだろうか。
 新聞広告代がいくらなのか知らないが、私が知っているだけで2紙に2年間、合計200回は掲載されている。仮に広告掲載料が1回3万円とすれば600万円にもなる。いったいどんなお寺なのだろう。この仕事のない時に求職者がない僧侶の仕事とは何なのだろう。秘かに好奇心を抱いている。