新宿眼科画廊の関川沙織展が良かった

 新宿眼科画廊は新宿5丁目にある。ここは新宿ゴールデン街の近くで、靖国通りから抜ける「四季の道」の出口からすぐのところにある。四季の道とはあまりに文学的な名前だが、ここは昔都電の走っていた線路跡で、植え込みに囲われた昼間でも薄暗い歩道だ。新宿眼科画廊のある場所は花園神社にも近い所だが、近所に画廊は少なくポルトリブレが徒歩数分くらいか。
 この新宿眼科画廊で現在関川沙織展が開かれている(8月4日まで)。関川は1987年新潟県上越市生まれ、武蔵野美術大学を今年卒業し、現在同大学院油絵コースで学んでいる。今回は関川の初個展となる。





 関川は写真をもとに描いていると言う。それは作品を見ていて感じることだ。そのこと自体に是非はないが、レンズを通さないときの表現も見てみたい気がする。
 そのことを除けば、関川の作品は衒いのない真っ当な絵画だ。最近はこのような人物画が少なくなってきた。デュマスやリヒターなどの影響か、崩したような人間が多く描かれてきた。そのことを一概に批判するものではないが、関川の正当な人物画が好ましく感じられる。
 関川は筆触がきれいだ。ベッドに眠る男性を描いた作品にそれをよく感じる。公園か何かの鉄柵に寄りかかる若い娘の作品も良かった。黒の色彩も印象に残った。さらに勉強して、これからもずっと描いていってほしいと思う。今後の個展を楽しみにしている。


関川沙織展
2010年7月30日(金)〜8月4日(水)、木曜休廊
12:00〜20:00(最終日〜17:00)


新宿眼科画廊
東京都新宿区新宿5-18-11
電話03-5285-8822
http://www.gankagarou.com