毎日新聞4月4日の書評欄に小西聖子がヘンリー・ペトロスキー「フォークの歯はなぜ四本になったか」(平凡社ライブラリー)の書評を書いている。そこにアメリカでのフォークの使い方が紹介されていて面白かった。
なぜ食事中にテーブルの下に手を置いてはいけないというルールができたのか。それはナイフで相手を傷つける意志がないことをはっきりさせるためである。なぜアメリカ式マナーでは、フォークを右手に持ちかえるのか。それはアメリカではしばらくフォークが使われなかったためである。左手にスプーンを持って肉に押しつけて切り分け、スプーンをひっくり返して右手で食物をすくって食べる風習が今でもテーブルマナーに影響を与えているのだ。
そうだったのか。スパゲティを食べるとき、左手でスプーンを使う日本人が多いけど、あれは南イタリアのテーブルマナーだそうだ。南イタリアってイタリアの田舎だし・・・。またイタリアでは日本では一般的なパスタにタバスコを使う習慣がないという。タバスコといえば、最初に日本にタバスコの輸入を企てたのはプロレスラーのアントニオ猪木だったが、時期尚早で失敗だったと彼の伝記に書かれていた。
逆に東南アジアではタバスコは必須で、日本に留学していたマレーシア人は天ぷらにもタバスコをかけていたらしい。そういえば、いつもマイ・マヨネーズを持ち歩いて、寿司にもそれを塗って板前に怒られたバカ者もいた。普段味噌汁を音立てて飲んでいる廣田新七さん(仮名、81歳)はフランスのレストランではスープを音立てて飲んで周りの顰蹙を買ったし、ニューヨークのレストランではついにフィンガーボールの水を飲んで同行の日本人をさえ呆れさせた。
- 作者: ヘンリー・ペトロスキー,忠平美幸
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 文庫
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