木田元はハイデガー哲学や現象学の専門家だ。事情があって農業専門学校から東北大学哲学科に入学したので、外国語を学んで来なかった。それで独学で外国語に挑戦する。その学び方が「なにもかも小林秀雄に教わった」(文春新書)に描かれている。
ここで、受験勉強中身につけた自己流の語学独習法が役に立った。私のは、近代語なら1,2ヵ月、ギリシア語、ラテン語のような古典語でも3ヵ月、短期的には1日十数時間くらい休まずに続けて、動詞の変化や基本的な単語をムリやり憶えてしまうというやり方である。ひとが怠けながら3年かけてやるくらいの時間はやることになるわけだし、つめてやるから、もっと能率がよい。それがすんだら、小さいものでよいから、その言葉で1冊本を読むこと、これで大抵マスターできるものである。1年目ドイツ語、2年目ギリシア語、3年目ラテン語、大学院の1年目にフランス語、毎年4月から6月までを語学月間と勝手に決めて、うまくやった。
外国語上達法といえば、チェコ語学者千野栄一の「外国語上達法」(岩波新書)を忘れてはいけない。
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