「国際野外表現展2009 比企」の石川雷太


 埼玉県鳩山町東京電機大学鳩山キャンパスがあり、そこで「国際野外表現展2009 比企」が開かれている。東京電機大学へは東武東上線高坂駅で下車してスクールバスで行くことになる。キャンパスは山の中にあり広いので、作品も点在している。時間がたっぷりあったわけでもないので、一部の作品しかみられなかった。その中に石川雷太の作品があった。
 石川雷太については以前「想像すること、想像しないこと」(2008年1月20日)として書いたことがある。最近はしばしば今回のように赤く塗ったパネルに観客に自由に文字を書かせるインスタレーションを行っている。
 一つは中央の広場に丸くパネルを立てている。もう一つは廊下の手すりに沿ってパネルを並べている。


 まず作家が質問を書く。「60. なぜ美大は女学生の割合が高いのですか?」
 学生たちが勝手に回答を書く。「男も女になっちゃうん」「メス化する自然」「芸術する人は女っぽい脳なんだって」「長男は美大に入りずらそうだから」「就職が難しいからだなあ」「いいことだね」「女性のほうが感性が豊かだから」「男がやしなうという概念があるから」「脳がそうだから」

 別の質問。「90. 植物状態の老人の延命に価値を感じますか?」
 その回答。「あまり感じません。自分がそうなったらとっとと殺して欲しいし、家族がそうなっても然りだと思う」「お前一ぺんそうなってみ?」「老人だろうが若者だろうが変わらないのでは、この状態の場合」「感じない」「Yes」「オレはそうなったら死にたい」「感じる。やはりまわりは生きていて自分はしてほしくないけど人それぞれ必要な場合ある」「もとにもどれるかのうせいが、あるなら」「感じません」「無意味」「生きるより死ぬほうがむつかしいんです。死にたい人が生かされるのははんざいではないですか」

 次の質問。「12. 天皇は特別な人だと感じますか?」
 この回答は「少なくとも、変わった経歴の人であることは間違いないと思う」「特別ではない 私は電車の中で会っている」「ちっとも」「特別です」「感じる。現にそうじゃん」「特別な人間ではない すごい存在」「特別な地位をあたえられてはいるがフツーの人だと思う」「おもう。でないと成り立たない」「特別。きくまでもナシ」「昔のえらい人の子孫」「気のどくな人とはおもうけどいてくれてうれしい人々」「かわいそうなぐらいトクベツ」「トクベツあつかいされてると思う」

 このキャンパスは特別女子学生の姿が少なかった。9割以上が男子学生だと思う。電気や工学が嫌いでなかったら入学すれば女子は絶対もてるだろう。