4月2日の朝日新聞の夕刊に私の好きな画家山口晃のエッセイが掲載された。週に1回、5回の連載だという。1回が400字詰め原稿用紙で2枚弱の分量だ。
月がわりの此(こ)のコラム。4月分は5回あるから、1回は自己紹介にあてよと、担当さんがおっしゃる。過去の筆者に元首相や女優さんが並ぶ中にあって、どこの馬の骨としては頷(うなず)かざるをえない。
ここだけの話、このコラムの原稿料は1本○万円。自己紹介で○万円とろうってのは、ちょいとベラボーだ。其(そ)んな仁(じん)ではなし、まぁ千円、正直言うと560円くらいな気がする。気が引けるので目先を変えて、発行部数で割ってみる。今度は安い。デタラメに安い。何を書いたって好(い)い様な気がしてきた。残り4回、それでゆくことにする。
もう10年以上まえになるが、マンガ「ナニワ金融道」の作者青木雄二も朝日新聞に同じ様なエッセイを連載したことがあった。彼の場合はカットのマンガも描いていたが。そして当然お金が主題の作家だから原稿料を発表していた。1回の原稿料が10万円だという。山口晃の原稿料もそれに準ずるだろう。
むかし売れっ子のイラストレーターにみかんのイラストを1点依頼したとき、イラスト使用料が25万円だと言われた。彼が言う。あんたは自分の給料と比べて俺のイラスト代を高いと思うかも知れないが、サラリーマンと違って俺たちは明日の収入が約束されていないんだ。これは決して高い金額ではないのだ。