ケータイを壊されると!

 先日珍しく飲み過ぎて、翌日自宅で目覚めたらいつも持ち歩いている鞄がなかった。夕べ飲んだ店を出たときは確かに肩からさげていた。その後入った長崎チャンポンの店に行ってみたがなかったという。東武線の駅で聞くと氏名と電話番号を書いてくれと言われたが見込みがあるのだろうかと訝しんだ。次にまさかとは思ったがJRに電話すると、忘れ物がデータベース化しているらしく、2〜3分でありますと言われた。実はほとんど諦めていた。鞄の中に入っていたものは、大事な順に記せば、まず図書館から借りた今は絶版の本、住所と電話番号、それに知人たちの誕生日を記したシステム手帳、友人を写した32年前のスライドフィルム、少ししか入っていない見られたら恥ずかしい貯金通帳、ガーバーのナイフ、講演を記録しているノートなどだ。鞄そのものもイタリア製で、無くしたら惜しいものだ。ただケータイは上着に入れていて無事だった。
 数年前、友人のハンサムでメチャモテの息子が折り畳み式のケータイを壊されたらしい。嫉妬に狂った彼女が彼のケータイを反対向きに折って壊してしまった。600件も登録していたアドレスやら何やらが消えてしまった。
 わが友人のギショーさん、まだケータイが無い昔で良かったねえ。あれば息子と同じ運命をたどっただろう。