佐藤美術館の諏訪敦展





 新宿の佐藤美術館で諏訪敦展が開かれている(2月24日まで)。諏訪は極めて写実的な人物像を描く画家。主に裸婦が多いが舞踏家の大野一雄も描いている。これが絵なのかと驚くばかりのスーパーリアリズムだ。若い日本人の裸婦とか、傷口を持った裸婦、本当に眠っている裸婦などを見事な写実で描いている。大野一雄は老人斑も生々しく、遺体かと思ってしまった。
 しかしリアルな裸婦にも関わらず少しも下品でないのだ。画家の姿勢だろう。求道的と言ってもいいかもしれない。本当にすばらしい技術だ。
 と書きながら実は私はこの画家に興味を持つことができないのだ。真摯な画家だ。技術はすばらしい。お前は何が不満なのだ。分からない。何かつまらないのだ。たぶん萬鉄五郎小出楢重の裸婦の方に軍配を上げるのに誰も反対しないだろう。

 佐藤美術館
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