元田久治展、東京が廃墟になる日


 銀座5丁目の養清堂画廊で元田久治展を見た(2月23日まで)。東京の街が廃墟になっている絵や版画を描いている。写真はちょっと古い作品で今回は展示されていないが、雰囲気はみな同じだ。この絵は銀座の中央通りを京橋から見ている。首都高速は破壊され右手にバスがひっくり返っている。ビルが崩れている。中央通りもずたずたになっている。人の姿は見えない。
 作家が今回の養清堂画廊に展示した作品は、国会議事堂、代々木のオリンピック競技場、東大の安田講堂、東京タワー、皇居の二重橋羽田空港、赤レンガの東京駅、浅草のサッポロビールのウンコビル、同じく浅草の花屋敷、渋谷の忠犬ハチ公、それらがすべて崩壊した無残な姿をさらしている。これらは何年後の東京なのか。
 元田久治は3月に開かれるVOCA展にも選ばれている。優れた才能の若い作家だ。すばらしい!

 養清堂画廊
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