印刷の好みが異なる日本と欧米

 欧米の雑誌と日本の雑誌で大きく違ったところがある。印刷におけるカラー製版の好みだ。欧米の雑誌を見ると陰が濃い。明暗がはっきりしている。日本の雑誌ではあまり陰がない。陰を作らないで色をきれいに見せることを心がけているようだ。欧米では色を犠牲にしても陰をはっきり付けるのだ。日本では陰を犠牲にしても、ということは立体感を犠牲にしても色をきちんと見せたがる。日本の印刷は明るく陰影が少なくカラフルに見える。
 日本の凸版印刷という印刷会社が印刷したアメリカの昆虫図鑑の色彩が欧米風だったので、それは製版の問題かと思ったが、撮影の問題でもあったのかもしれない。
 いずれにしろ日本と欧米では印刷の色彩について明らかに好みが異なっているようだ。さて、映画ではどうだろうか?