山本弘の作品解説(108)「自画像」

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 山本弘「自画像」、デッサン

 1971年制作、山本弘41歳。まだ2度目の脳血栓は起きていない。その分、手足の自由はそこまで損なわれていなかったのだろう。描写は正確でまさにこの通りの姿だった。珍しく鏡を見て描いているのではないか。人と対峙しているときは、ここまで凝視することはなかったと思う。

 モデル(自分)の性格まで描き取っているようだ。当然素面の自画像だ。