東京日本橋小伝馬町のJinenギャラリーで諸橋杢子展が開かれている(8月29日まで)。諸橋は2017年から毎年櫻木画廊で個展を開いてきて、今回初めてJinenギャラリーでの個展開催となる。
諸橋はリアルな木の葉の立体作品を作っている。色彩もごく自然な感じで塗られているように見えたが、絵具は使ってないという。諸橋は8種類の木材のカンナ屑を用いて何層にも貼り合わせ、それをグラインダーで削りながら作品を作っていく。それで貼り合わせたカンナ屑の木の素材の色が層になって表われ、絵具で塗ったものとは違った自然な色彩を生み出すことができる。
入り口近くにカンナ屑の見本をガラス瓶に入れて、使われた素材がどんなものなのか展示している。
薄く削って作った作品は、ところどころ穴が開いてしまっている。それもリアルなのだが、同時に須田悦弘を思わせる。だが、須田とは制作方法もコンセプトも異なっている。諸橋の個展を初めて見たが、この後どんな方向に進んでいくのだろうか。
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諸橋杢子展「YARD BIRDS」
2021年8月24日(火)―8月29日(日)
12:00-19:00(最終日16:00まで)
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JINEN GALLERY
TEL:03-5614-0976