小田急・新宿本館の半田強展を見る

 小田急・新宿本館10階美術画廊・アートサロンで第20回記念半田強展が開かれている(10月31日まで)。半田は1948年、山梨県生まれ。1970年に国画会展に初出品し、以来毎年出品している。1979年に小田急百貨店新宿店で個展をし、以後現在まで隔年で開催している。また1988年に銀座の瞬生画廊で個展をし、これまた現在まで隔年で開催している。
 小田急が配布しているパンフレットに笹木繁男の推薦文が載っている。

半田の第1回展で見た1点《葱坊主》と題する絵は、正面の幼児が、葱を片手にもち、農道に突っ立ち、半眼の強い視線で凝視している絵で、更に付言すれば、絵の「葱坊主」は作家自身で、しがらみを捨て決然と新しい世界に立ち向かう決意を表明しているかにも見えた。
以来隔年開催の「半田強展」も今回で20回展になる。通算すると実に40年の歳月である。彼も立派に画家として自立し、その独特の風貌も揺るぎないものになった。画家の半田も頑張った。小田急百貨店も、よくそれを支えて応えた。私の齢も86歳となった。お互いに元気で回を重ねられたことを改めて祝福したい。(後略)

 私も半田の個展は20年ほど前から時々見てきた。半田はデュビュッフェのスタイルを自分のものとしている。だがデュビュッフェの内奥がおそらく冷たいのに対して、半田の絵は温かい。それは半田の気持ちが優しいからだろう。今回「平和よ!」と題された大作が展示されている。ピカソの「ゲルニカ」に触発されて描いただろうこの作品も、ゲルニカと反対の平和な世界を描いているように見える。本当に穏やかな人柄なのだろう。

「平和よ!」

「思索家」

「牡丹」

ヒロシマ

ハシビロコウ

     ・
半田強展
2017年10月25日(水)→10月31日(火)
10:00→20:00(最終日は16:30まで)
     ・
小田急百貨店新宿本館10階=美術画廊・アートサロン
電話03-3342-1111(大代表)