東京神田の猿楽町のオルターネイティブスペースThe Whiteで小川浩子展「夜が私に語ること」が開かれている(1月29日まで)。小川は埼玉県生まれ。1996年に日本大学芸術学部彫刻専攻を卒業している。2000年に東京銀座の青樺画廊で初個展、2005年からはギャラリーQで毎年ないし隔年で個展を開いていた。2017年からここThe Whiteで個展をしていて今回が4回目となる。画廊のホームページから、
The White では四度目となる本展では、広島に足を運んだことによって明らかになる事象に対峙しながら構想が萠芽した作品や、市内を走行しながら時折足を止めスマートフォンで撮影した映像作品、世界各地で継続して制作中の「涙壺」のシリーズも現地で行なうなど、世界中で自由な往来がいまだに制限され、予定を変更しなければならない状況のなかで制作した作品を二つの展示空間を使用して開催いたします。
今回は205号室と202号室の2つのスペースを使っている。205号室では鉄で組み立てられた大きな立方体が設置されている。天井が金属で覆われていて、勾玉のような穴が開けられていて、天井から光が当てられている。床にその勾玉状の光が落ちている。これは何を意味するのか? 画廊には誰もいなかったので、後日メールで小川に問い合わせた。
この大きな作品は「復元図を復元する」と名づけられていて、広島の爆心地を復元しているようだ。原爆資料館に銅板に刻まれた復元図が設置されていて、そこに瓢箪池が描かれていた。本展で光が作る勾玉はその瓢箪池を再現したもののようだ。天板の裏側には、当時瓢箪池を取り囲んでいた個人宅の表札が貼り付けられていた。
202号室では映像作品が流されていた。広島市内の現在の日常的な風景が上映されている。その手前に天井から吊るされたペットボトル?から水滴がゆっくりと1粒1粒滴り落ちている。これは「涙壺」という作品だろうか。
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小川浩子展「夜が私に語ること」
2022年1月11日(火)―1月29日(土)
13:00-19:00(日曜・月曜休廊)
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オルターネイティブスペースThe White
東京都千代田区猿楽町2-2-1