井ヶ田彩彫刻展を見る

 東京銀座のギャルリー志門で井ヶ田彩彫刻展が開かれている(2月6日まで)。井ヶ田は1981年東京都生まれ、2004年に多摩美術大学美術学部彫刻学科木彫専攻を卒業している。2009年にギャラリー・オカベで初個展。多摩美在学中に聖路加病院での「木の語らい展」に2度参加している。
 今回の個展では大きなサイ(犀)の木彫が展示されている。井ヶ田によれば、これは大学在学中に作ったものだという。サイが好きなので上野動物園に通って作った。その後野生のインドサイを見るためにネパールに行ったところ、野生のサイは動物園のサイとは違って精悍だった。動物園のサイは太ってぶよぶよしている。それで以前作ったサイの作品にずいぶん手を入れたものがこれだという。このサイの作品は素晴らしかった。





 しかし最近は子どもを彫っているという。中くらいの大きさのものから小品までいくつもの子どもの作品が並んでいる。井ヶ田の特長はサイのような大きな作品から小さな作品まで作品の水準が一定していることだろう。ただ、リアルなサイの作品は特に良かった。アトリエの問題で、なかなか大きな作品は作りにくいと言う。確かに大きな作品は売りにくいし、保管の場所の問題もあるだろう。でもいつかまたリアルな動物の大作に挑戦してほしい。
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井ヶ田彩彫刻展
2016年2月2日(月)ー2月6日(土)
11:00ー19:00(最終日17:00まで)
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ギャルリー志門
東京都中央区銀座6-13-7 新保ビル3F
電話03-3541-2511
http://g-simon.com/