東京日本橋室町の椿近代画廊で天野裕夫彫刻展が開かれている(6月13日まで)。天野は1954年岐阜県生まれ、1978年に多摩美術大学大学院彫刻科を修了している。同年日本画廊で初個展、以来個展多数と今回の個展に際して画廊が作ったパンフレットにある。
天野は大小さまざまな動物を作っている。素材は杉とブロンズだったり、杉と陶だったりする。それらを組み合わせて作る動物は、しかし現実のものではなく不思議な形態をしている。画廊のあるビルの玄関に置かれている作品は「禹王」と題されているて、とても大きい。高さが153cmもある。頭はウサギのようだが、手はペンギンの羽のようだし、足はするどい爪が6本もある。これは陶とブロンズでできている。よく見ると、その肩には象が何頭も行列を作っている。それでは禹王はとても巨大で、王たるに相応しいだろう。
ほかにも不思議な動物が何体も何体も展示されている。何しろこの画廊は面積が特別広いのだ。作品は杉の枝や根っこの偶然できた形を活かし、それを活用して幻想的な動物を作っている。しばしばそれらの背中に小さな象が行列を作っている。おもしろい立体作品だ。
会期が明日までしかないが、なかなか楽しめる展示だと思う。ぜひ行かれることをお勧めする。
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天野裕夫彫刻展
2015年5月25日(月)〜6月13日(土)
11:00〜18:30(日曜日休み)
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椿近代画廊
東京都日本橋室町1−12−15 テラサキ第2ビルB1F
電話03−3275-0861
http://www.tsubaki-kindaig.co.jp/