堀内康司の年賀状


 先週まで長野県東御市にある梅野記念絵画館で遺作展が開かれていた堀内康司の年賀状を見る機会があった。ギャラリー美庵のNさんに仲介していただいて、年賀状の所有者であるHさんに会うことができた。Hさんは92歳、もう40年以上画廊を回っているコレクターだ。
 Hさんは堀内とは長年交流があって、自宅に遊びに来たこともあったという。以前から年賀状をやり取りしていたが、それらを大切に保管されていて、今回わざわざ持ってきて見せてくれた。1980年頃からのもので、すでに堀内が制作をやめたあとのものだ。年賀状は木版画やドローイングで、この日16点を見ることができた。その他手紙も1通持参されてそれも見せてもらった。手紙には堀内のHさんに対する敬意があふれていた。


 堀内が20代で突然制作をやめたことの理由についても、Hさん独自の考察があり、そのことも話していただいた。
 Hさんが堀内の年賀状をたくさん保管していることはほとんど誰も知らないだろう。ここに紹介するのは意義があると思い掲載した。


梅野記念絵画館で堀内康司展を見て考えたこと(2014年11月17日)
遺作画集『堀内康司の遺したもの』が見事な出来栄えだ(2013年10月24日)