近所の公園に顔を出した春

 まだまだ寒い日が続いているが、近所の公園に少しだけ春が顔を出していた(1月26日)。

 福寿草。管理のお爺さんが、朝はまだ開いてなかったのにねえと言っていた。この日は補聴器をつけているらしく、久しぶりに話ができた。私より15歳年上なのに、以前年齢を聞いたとき、あんたと同い年くらいだよと言われた。そのことを娘に話すと、父さんは風呂から出たあと乳液(化粧水?)を付けて肌の手入れをしないから老けて見えるんだよと責められた。

 蕗の薹(フキノトウ)。フキノトウミョウガと並んで私の好物。子供の頃の食生活が人の一生の味覚を決定する。この2つに共通するのは、アクの強い野草=野菜ということだろう。上京して初めて食べたセロリもパセリもクレソンもみな美味しかった。パクチーコリアンダーさえも。蕗味噌、天ぷら、考えただけで食べたい気持ちが募ってくる。でも、昔だれかに貧しいものが好きなのねと言われたこともあった。当時カミさんに話したら怒っていた。いや、ただ間違ってはいないから。

 木瓜(ボケ)、早春の花。この実で初秋に作るボケ酒が好きだ。娘から、父さんボケ酒を飲むんじゃなくて作るのが好きなんじゃない? って言われたが、そうかもしれない。一番いいのは、ボケではなく草ボケで作るボケ酒らしいが、まだ草ボケの実は入手したことがなくて、作ったことも飲んだこともない。

 紅梅。これは公園ではなく、墨田区香取神社の境内に植えられているもの。広重の浮世絵に「亀戸梅屋敷」とあったのがこの香取神社の近くだったとかで、それに因んで境内にたくさんの梅が植えられている。ただ境内はそんなには広くないのでかなりの密植となっていて、花を愛でながら散策する梅園という優雅さには至っていない。ちゃんとした庭師を入れるべきだと思われる。


 画像は安藤広重の亀戸梅屋敷とゴッホによるその模写