東京銀座1丁目のギャラリー現で開かれている古澤信二展「流動としての領域」が興味深い(11月12日まで)。古澤は昭和34年山形県生まれ。2年前にもこの画廊で個展を開いている。
2年前と同じく独特の手法を使っている。絵の具を塗った画面をスチールの角材でこすって作品をつくっているのだ。前回はスチールの角材が木材だったという違いはあるが。
その角材を画面の上部や下部に取り付けている。2年前の個展の紹介から。
筆やパレットナイフと違い作家のコントロールが効きにくい。しかし偶然の産物でもない。不十分なコントロールの結果ではあるが、その良否を判断するのは作家に他ならない。そしてこのような禁欲的で見事な作品が生まれた。不思議な作品だ。禁欲的ではあるがミニマルではない。饒舌ではないが、確信を持って語っている。
・ギャラリー現の古澤信二展(2009年11月29日)
ユニークで禁欲的な抽象作品だ。価格表を見ると、それが驚くほど安価なのだ。作品の質と価格が釣り合っていない、コストパフォーマンスがきわめて高いと思う。
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古澤信二展「流動としての領域」
2011年11月7日(月)−11月12日(土)
11:30−19:00(土曜日17:30まで)
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ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3階
電話03-3561-6869
http://www.jpartmuseum.com/g_gen/