山本弘30回目の祥月命日

 今日2011年7月15日は、画家山本弘の30回目の祥月命日だ。弘さんは1930年6月15日に生まれ、1981年7月15日に51歳で亡くなった。この誕生日は奇しくも平山郁夫と全く同じ日だった。日本の画壇の頂点を極めた画家と無名のまま亡くなった画家が同じ日に生まれたなんて、星占いがあてにならないことの証拠だと思っていた。そうではないと最近気づいた。平山郁夫は世俗の世界で成功を収めた画家だった。山本弘は世俗の世界でこそ敗残者だったが、美術の世界では成功した画家だった。対極の世界にありながら、二人とも成功した、星占いが間違っていなかった証だと思えた。
 私は若いときに山本弘に会った。それが自分の人生を大きく変えたのだった。いわば山本弘が鉄道の転轍機だったと言えよう。角度がわずかにずれながら、遠い先で二つの線路ははるかに隔たってしまう。あちらの道を行っていたらどんな人生だったか、もう想像もつかない。
 弘さんの葬儀のことはまだ憶えている。墓に1輪のヤマユリが咲いていた。それまで全く興味がなかったこの花が、いつの間にかもっとも好きな花になっていた。

 写真は1973年9月、私が撮影した43歳の山本弘
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 7年前、山本弘さんの思い出を書いた。
帰燕せつなき高さ飛ぶ――山本弘、わが敬愛する画家の思い出――(2006年6月29日)
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ヤマユリhttp://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/yamayuri.html