足立 Golgi 嘉之展「おひるね」がすばらしい!


 銀座5丁目のギャラリーなつかの足立 Golgi 嘉之展「おひるね」がすばらしい(11月13日まで)。足立は1962年島根県生まれ、個展は村松画廊以来で20年ぶりだという。当時は主に立体作品を作ってきた。今年5月に友人が同じギャラリーなつかb.Pで個展をし、自分でもやりたくなって画廊に申し込むと11月に空いていると言われた。7月から制作を始め、たった4か月で今回の個展の作品すべてを描き上げたという。
 表現技法は足立によれば「なんちゃってフレスコ」、コンクリートに水彩で描いている。中に1点キャンバスに油彩で描いているものもあった。特に最初に掲げた座っている子供の作品がすばらしい。すべて3番目の末っ子を描いている。
 今まで自分の娘を描いた画家は何人もいる。どこかの団体に属している芸大だかの教授で、わが子である少女像を描いている画家がいる。その絵にどうしても馴染めないでいた。なぜかは分からなかった。今回足立の子供の絵はとても気持ちがよかった。何が違うのだろうと考えて、あるいは見る者への「媚び」の有無かもしれないと思った。足立の絵にはそんな嫌らしさが感じられないのだ。
 足立は自分のような「絵」がこのような現代美術のギャラリーに展示されていいのだろうかと言う。ギャラリーなつかは現代美術の作家の個展が開かれる画廊だ。では現代美術とは何だろう。少なくとも足立の作品は古い具象画ではない。ギャラリーなつかの壁面を飾って何ら違和感はない。こんな優れた画家に出会えるから画廊回りはやめられない。




↑これのみ油彩

足立 Golgi 嘉之展「おひるね」
2010年11月8日(月)〜13日(土)
11:30〜18:30(最終日〜17:30)


ギャラリーなつか
東京都中央区銀座5-8-17 GINZAPLAZA56 8階
電話03-3571-0130
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/
(銀座5丁目の交差点の日産ギャラリーの並び、ユニクロの向かい側)