画廊を回って京橋界隈を歩いていた。自動販売機を見かけたときに喉の渇きをおぼえ(その逆ではなく)、缶コーヒーを買って飲んだ。飲んでいるときに目の前の丈の高い草に気づいた。葉の形から容易にタケニグサと知れた。普通、河川敷や道路脇、人と自然の境界あたりによく見かける草だ。東京のど真ん中の京橋界隈で見るなんて珍しい。
タケニグサと言えば小学生の頃、先輩のお兄さんたちがソリにつける竹を曲げるために、たしかこの草を煮出してその液に竹を漬けていたように思う。名前を教えてくれたのは小学校5、6年の頃の担任で宮嶋光男先生だった。竹を煮るからタケニグサと言うんだ。
しかし、「新 校庭の雑草」には別のいわれが書かれている。
この草を入れて竹を煮ると柔らかくなるので竹煮草だというが、中空の茎が竹を思わせるので、竹似草という方が自然だろう。
いや、私は竹煮草の方を採りたい。宮嶋先生には植物について多くのことを教わった。戦時中トラック島で実際にやったというケシから阿片を採るやり方も教えてくれた。その方法をまだ憶えているが、阿片が採れるケシを実際に見たことがないので、まだ試したことはない。
- 作者: 岩瀬徹,中村俊彦,川名興
- 出版社/メーカー: 全国農村教育協会
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
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