内藤礼の作品について

 先月、東京都現代美術館内藤礼の作品に関して書いた「内藤礼の作品がよく分からない」というエントリー(id:mmpolo:20080830)に対して、mimiさんがすばらしいコメントを寄せてくれた。私は下記のように書いたのだが、

 今回の作品は「通路」と題され、美術館内に部屋が作られている。幅5メートル、奥行き10メートルくらいか。妻の右端に高さの低い入口がある。内部に入ると部屋の両側に金属の黒い手すりが付けられている。妻側の壁には大きなガラス窓があり外が見える。外から見たとき気づかなかったのはマジックミラーのためらしい。その窓に接して水道の蛇口と洗面台が設置してあり、蛇口からは細く水が流れ続けている。右手の手すりの下に小さな電球が灯っていて、電球は重ねられた2枚の白い皿に載っている。
 向こう側の妻の壁にはもっと大きなガラス窓があり、やはり外が見えている。窓の手前と向こう側に水が入ったガラス瓶が置かれている。天井には採光の窓が二つ。入口と対象の位置に出口がある。外に出て部屋の周囲を回る。マジックミラーの窓には両側とも紗が掛けられている。

 これに対して、mimiさんは、

 物理的な説明に付け加えさせていただくと、洗面台の中に置かれたビンの中に薄桃色(?・・・貝紫色という表現は美しいですね。)に染められたリボンがはいっていて、注ぎ込まれている水の流れによってゆらゆらと揺れています。片方のマジックミラーの前に置かれたガラス瓶は内側のものには水がはいっていますが、外側のものはからっぽです。マジックミラーのせいで両側に水がはいっているように見えますがそれは錯覚です。両方のマジックミラーにはそれぞれ直径1cmほどの円形の鏡が張りつけられています。手すりは両側とも少しずつ斜めになっています。

 いったい私は何を見ていたのだろう。2回も見に行ったのに。しかも2回目はじっくりと見たのに。全くいやになってしまう。mimiさん、ありがとうございました。
 それにしても内藤礼を見ることは難しい。現在開かれている横浜トリエンナーレにも出品されているから、注意してよく見てこよう。