コバヤシ画廊の村山隆治展を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で村山隆治展が開かれている(11月18日まで)。村山は1954年茨城県生まれ、1980年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。その後、ギャラリー山口やギャラリー手、ギャラリー21+葉などで個展を繰り返した後、2007年からは毎年コバヤシ画廊で個展を開いている。

 村山は特殊な方法で作品を作っている。ガラス絵の技法だが村山はガラスではなくアクリル板を使う。ガラス絵同様に裏面に描く。キャンバスに描くのとは違って、最初に置いた絵具が一番の表面になる。キャンバスに描いた場合は、最後に置いた絵具が表面になるのと正反対なのだ。さらに今まで筆ではなく指で描いていたのに、今回は指ではなく布を使って描いているという。


 村山の作品はなぜか妖しい印象を受ける。それは今まで指で描かれていたからではないかと考えていたが、今回もその妖しさは変わらない。すると、その妖しさはガラス絵の手法によるものではないかと思い至った。光沢のあるアクリル板に描かれ、それを描いた反対側から見ることで絵具が生々しく感じられるのだった。

 村山によると、描いては重いアクリル板を引っ繰り返して見るのが結構ストレスだとのことだった。だから現在以上に大きな画面を用いるのは難しいという。

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村山隆治展

2023年11月13日(月)―11月18日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

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コバヤシ画廊

東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1

電話03-3561-0515

http://www.gallerykobayashi.jp/