コバヤシ画廊の村山隆治展を見る


 東京銀座のコバヤシ画廊で村山隆治展が開かれている(5月26日まで)。村山は1954年茨城県生まれ、1980年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。その後、ギャラリー山口やギャラリー手、ギャラリー21+葉などで個展を繰り返した後、2007年からは毎年コバヤシ画廊で個展を開いている。
 村山は特殊な方法で作品を作っている。ガラス絵の技法だ。村山はガラスではなくアクリル板を使う。ガラス絵同様に裏面に描く。キャンバスに描くのとは違って、最初に置いた絵具が一番の表面になる。キャンバスに描いた場合は、最後に置いた絵具が表面になるのと正反対なのだ。

 今回一番大きい作品は画廊正面に展示されている↑の作品で、天地162cm、左右390.3cm、つまりほぼ左右4mもある。銀箔も使っている。村山の作品はなまめかしい。手でアクリル板に描いているので、筆でキャンバスに描くのとは違って滑らかに走る手の跡が残っていて、それがなまめかしさを醸し出しているらしい。抽象作品でありながら、どこか色っぽいのだ。
     ・
村山隆治展「色を呼ぶ」
2018年5月21日(月)―5月26日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
     ・
コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/