小林画廊の秋山泉展を見る


 東京銀座の小林画廊で秋山泉展が開かれている(9月16日まで)。秋山は1982年山梨県甲府市生まれ、2007年に東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2009年に同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。
 2009年から小林画廊で個展を繰り返し、山梨やシンガポールでも個展を行っている。私は2006年のギャラリーフォレストでの2人展で初めて見た。
 小林画廊の個展では秋山は鉛筆画を制作している。ろうそくが燃えている静謐な画面だったり、白い食器だったりする。ろうそくと言えば、バロックの画家ド・ラ・トゥールを思い出す。ラ・トゥールのろうそくは命のはかなさを示しているというが、秋山のろうそくはもっと即物的だ。大きな画面の真ん中に静かにろうそくが燃えている。とは言え、即物的ではありながら何か温かさを感じさせる。食器の作品ではモランディを連想するが、秋山は色彩を使わないので、その印象は大きく異なっている。




 作品の写真を掲載したが、額にアクリルが入っている。それで室内のものや外の景色の一部が写り込んでしまっている。実際の画面はろうそくと燭台、または食器が描かれているだけだ。ただそれだけの禁欲的な秋山の静かな作品が並んでいる。
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秋山泉展
2017年9月5日(火)―9月16日(土)
10:30−18:30(土曜17:00まで)日曜日休み
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小林画廊
東京都中央区銀座7-5-12
電話03-3574-1898
http://www.kobayashi-g.co.jp
花椿通りに面した1階