東京ステーションギャラリーの「12 Rooms 12 artists」を見る


 東京駅の東京ステーションギャラリーで「12 Rooms 12 artists」が開かれている(9月4日まで)。タイトルの由来は、東京ステーションギャラリーの12の部屋に12人のアーティストを展示しているから。UBSアート・コレクションよりとある。そのUBSとは「民間企業の現代美術コレクションとして世界で最大規模を誇る」という。12人のアーティストは、荒木経惟、アンソニー・カロ、サンドロ・キア、ルシアン・フロイド、デイヴィッド・ホイックニー、アイザック・ジュリアン、リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー、小沢剛、ミンモ・パラディーノ、スーザン・ローゼンバーグ、エド・ルーシェイ。ちらしの表はルシアン・フロイドの油彩だから、フロイドが目玉みたい。私はサンドロ・キアを見たくて行った。
 期待外れだった。フロイドは27点展示されているが、ちらしに使われた油彩以外はエッチングがほとんど、アラーキーもテレビのCMを撮って真ん中で破いたものを張り合わせた小品が7点あるだけ。28点と一番多いエド・ルーシェイはさほど面白くもない小品ばかり。これで「民間企業の現代美術コレクションとして世界で最大規模を誇る」のだろうか? 
 一番期待して行ったサンドロ・キアは油彩が2点。これまたつまらなかった。20年ほど前、横浜美術館でエンツォ・クッキ、サンドロ・キア、フランチェスコ・クレメンテ、通称3Cの展覧会が開かれた。イタリアの現代美術の画家たちで、新表現主義とも言われ、世界を席巻していた抽象に対して具象画を提示してきた。それがとても衝撃的だった。その3Cの一人サンドロ・キアが見られると思って行ったのだったが、残念な結果だった。(エンツォ・クッキは佐倉の川村美術館に良い作品が常設展示されている)。
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「12 Rooms 12 artists」
2016年7月2日(土)―9月4日(日)
10:00―18:00(月曜休館)
入場料:一般1,000円、高校生・大学生800円、中学生以下無料
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東京ステーションギャラリー
JR東京駅 丸の内北口改札前
電話03-3212-2485
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/