本陣房の蕎麦

 私が2番目に好きな蕎麦屋が新橋の本陣房だ。ここは「せいろもり」と「田舎もり」が基本で、田舎もりは黒くて太くてやや硬い。どちらも670円。せいろと田舎が1枚ずつの二色もりが1,000円だ。久しぶりに二色もりを食べてみたが、私はせいろの方が好きだ。
 ここには車海老天付もりそばがあって、こちらは1,900円。昔は貧乏性だったし、いまは貧乏なのでまだ食べたことがない。いや、昔は車海老が3尾付いて2,700円だったと思う。以前夕方お金持ちっぽい紳士が一人で、一度に車海老天付もりそばと松茸そば、それにビールを注文したのを見かけた。古い話なのにまだ憶えている。
 この本陣房はチェーン店で、「本陣房本店」が新橋駅前ビル1号館にある。たまに行っていたのが虎の門駅近くの「竹仙」(東京都港区西新橋1-5-10天野ビル地下1階)と御徒町駅近くの「吉仙」(東京都台東区台東4-8-5 わかばビル地下1階)だが、そもそも本陣房はもとは竹仙の場所にあり、名前もここが本陣房だった。味は変わらないが、チェーンの名前は皆さまざまだ。前記3店のほか、新橋本陣房、新橋の天祥庵、味喜庵、天王洲の常喜房、上野の心洗庵などまだまだある。どうしてチェーン店なのに店の名前が違うのかと店員に問うと、おそらく社長が引退した後、暖簾分けするのに別々の名前の方が都合がいいと考えているからではないかとの答えだった。そう言う考え方もあるのかと感心した。
 本陣房グループのホームページ