名前の読み方は変えることができる

 小学校時代の同級生に「てるお君」という名前の男の子がいた。漢字で「昭男」と書いた。普通の読み方では「あきお君」だ。たぶんお父さんが「照男」と間違えて戸籍係へ届けてしまったのだろう。役所は漢字の読みまでは干渉しないシステムになっているので、何の問題も起こらなかった。「読み」は自由なのだ。
 「隆明」と書いて「りゅうめい」と読んでもいいし、「義生」と書いて「ぎしょう」と読ませてもいい。おそらくパスポートを取るまでは読み方は自由なのだ。パスポートにローマ字で名前が書かれる事で初めて読みが確定するのではないか。
 やはり小学校の同級生の大平(おおだいら)君は東京へ引っ越していって、「東京では誰もおおだいらとは読まないので、おおひらに変えました」と手紙をくれた。そんなことも可能なのだ。