ガルリSOLの松尾玲央奈展を見る

 東京銀座のガルリSOLで松尾玲央奈展「列なり逢う想い」が開かれている(1月21日まで)。松尾は1984年、福岡県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2012年に同大学大学院美術研究科美術専攻後期博士課程を修了している。初個展は2007年ガルリSOLで行い、以来もう10回を超えている。そのほか女子美アートミュージアムや銀座gallery女子美など多数個展を開いている。

上の作品の部分


 松尾は金属で奇妙な形を作っている。それは機械に似ているのではないか。松尾に好きな作家を尋ねるとジャッドだという。なるほど、造形的に共通点は感じられるが、コンセプトとしては真逆だろう。ジャッドは徹底して作品から意味を捨象しているが、松尾の作品は意味に溢れている。

 今回球が数多く使われていて、その素材を尋ねるとコンクリートだと言う。鉄とアルミとコンクリートで作られた松尾の造形はほとんど誰にも似ていない。連想するのは近代的な工場設備ではないだろうか。ユニークで魅力的な作家なのだ。

 奥の小部屋には囚人の足に付ける鉄球と鎖を作品化した小品が展示されている。これも面白かった。

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松尾玲央奈展「列なり逢う想い」

2023年1月9日(月)-1月21日(土)

11:00-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊

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ガルリSOL

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F

電話03-6228-6050

https://galerie-sol.com/