トキ・アートスペースの大友一世展が良い

 東京渋谷区外苑前のトキ・アートスペースで大友一世展が開かれている(3月8日まで)。これがとても良かった。大友は1982年京都府生まれ、2007年に京都嵯峨芸術大学大学院芸術専攻造形絵画修士課程を修了している。2005年に京都のギャラリーはねうさぎで初個展、その後京都や東京で個展を繰り返している。このトキ・アートスペースでは今回で4回目になる。


 大友は鮮やかな色彩と強い形の魅力的な抽象作品を作ってきた。しかし今回はひと皮剥けたような作品を展示している。画廊正面の壁には大友特有の激しい赤い画面が置かれ、上から下へ強く太い線が描かれている。その左側の壁に展示されている作品は、中央に青黒い形が描かれ周囲に不安定な濃い線が囲んでいる。茂みに囲まれた沼のようにも見える。


 大友が作り出した抽象的な画面は激しく強い線が走り回っている。それらはおそらく大友の内面を写しているいるのだろう。とても魅力的な造形だ。優れた個展だと思う。
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大友一世展
2015年3月2日(月)−3月8日(日)
11:30−19:00(最終日17:00まで)3月4日休廊
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://homepage2.nifty.com/tokiart/