銀座ニコンサロンの石川文洋写真展を見る


 東京銀座ニコンサロンで石川文洋写真展「戦争と平和ベトナムの50年」が開かれている(6月3日まで)。ギャラリーのホームページから、「写真展内容」の紹介。

1964年8月、ベトナム沖で米駆逐艦北ベトナム魚雷艇の攻撃を受けたとされる「トンキン湾事件」で米軍は北ベトナムを爆撃した。この年、作者は初めてサイゴン(現ホーチミン市)を訪れた。/その後1965年1月から4年間サイゴンで暮らし、南ベトナム政府軍、米軍への同行取材を続けた。/帰国後も、70年米軍のカンボジア侵攻作戦、72年・73年爆撃下の北ベトナム、75年ベトナム戦争終結、78年ベトナムカンボジア国境紛争、79年ベトナム・中国戦争などを撮影した。/現在は枯葉剤・不発弾被害者ほか、戦争の後遺症と戦後の復興を取材している。/作者が初めてベトナムの地を踏んでから50年の月日がたった。来年は戦争終結40周年。第二次世界大戦以降、最大となったベトナム戦争を撮影した写真記録を展示する。

 写真家石川文洋についても同じく、

1938年沖縄県那覇市生まれ。64年毎日映画社を経て香港のファーカス・スタジオに勤務。65年1月〜68年12月、フリーカメラマンとして南ベトナム (当時)の首都サイゴン(現ホーチミン市)に滞在。69年〜84年、朝日新聞社カメラマン。84年〜現在、フリーカメラマン。
98年ベトナムホーチミン市戦争証跡博物館内に石川文洋写真常設展示室開設。2009年沖縄市が開設した「戦後文化資料展示室ヒストリートII」に、作品が随時展示される。

 ギャラリーにはベトナム戦争当時の写真と、それから40年後のベトナム風景などが並んでいる。手榴弾を投げられて死んだ農民かベトコンの兵士の遺体。母親に抱かれて不安そうだった幼い女の子ソーちゃんが42年後に1児の母となって笑っている。負傷してアメリカ軍の捕虜となった農民がのちに釈放されたが片足を失い、家族に乱暴をはたらいて今は離婚して一人暮らしとなったと説明されている写真。
 韓国軍についての写真説明は、「アメリカの要請を受け集団的自衛権を行使するため1965年から1973年まで述べ31万2848人の兵士を送った。戦死者は5099人」とある。
 ベトナムアメリカが去ったあとポル・ポト率いるカンボジアと戦争した。そして中国との戦争(中越戦争)が勃発した。中国がベトナムに侵入したのだが、その理由を中国は「懲罰」と説明した。中国が支援したポル・ポト政権がベトナムによって崩壊したことに対する報復だというのだ。
 数十点の写真展だが、とても濃い内容だ。少ない写真点数でも戦争の実態が生々しく伝わってくる。良い写真展を見た思いがする。
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石川文洋写真展「戦争と平和ベトナムの50年」
2014年5月21日(水)〜6月3日(火)
10:30〜18:30(最終日は15:00まで)会期中無休
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銀座ニコンサロン
東京都中央区銀座7-10-1
電話03-5537-1469
http://www.nikon-image.com/activity/salon/