100万部売れた「思考の整理学」

 外山滋比古「思考の整理学」(ちくま文庫)が100万部売れているらしい。1986年に発行されて、その後20年間で17万部売れた。それが2年前盛岡の書店員がPOP(販売時点広告=商品の側に立てた宣伝カードなど)に「もっと若い時に読んでいれば……そう思わずにはいられませんでした。」と書いて火がつき、「東大・京大で1番読まれた本」と帯に印刷し、わずか2年間で100万部が売れたという。
 いや、ベストセラーになるだけあって面白い。そしてベストセラーのもう一つの条件も備えている。軽いのだ。わずか1日で読んでしまった。
 そういえば、300万部売れた養老孟司の「バカの壁」も軽かった。患者がつめかけている皮膚科医院で長時間待たされた時、待合室に置いてあったこの本を1時間半で読んでしまった。これは養老が口述したものを編集者がリライトしたという。だから軽くて読みやすいのだ。本来の養老の文体は読みづらい難解なものなのだ。
 それにしても20年前に書いた本の印税が、突然5,000万円も振り込まれて先生驚いただろうなあ。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)