東京竹橋の東京国立近代美術館で「記録をひらく 記憶をつむぐ」が開かれている(10月26日まで)。同館のコレクションを中心に100点余の先の戦争前後に関する絵が展示されている。
この展覧会について、毎日新聞の「余禄」が書いている(2025年8月9日、朝刊)。
東京国立近代美術館(東京都千代田区)は、さきの大戦下の日本で戦争を題材として描かれ、終戦後に米軍に接収された絵画153点を所蔵している。戦意高揚などが目的とみなされた絵画群はいったん米国に輸送された。1960年代に日米で返還交渉が行われ、米国政府が所有したまま日本に無期限で貸与する形で、70年に帰国した▲近代美術館で開催中の企画展「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」はその絵画24点を含め、戦中戦後期の絵画やプロパガンダ用広告類を展示している。戦時中のポスターや、広島平和記念資料館が所蔵する市民が描いた原爆の惨禍を伝える絵画など、内容は多岐にわたる▲陸軍の美術協会理事長を務めた洋画家、藤田嗣治が描いた「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」は旧ソ連軍と衝突し、多くの死傷者を出した39年のノモンハン事件が題材だ。戦闘はパノラマのように描かれている。一方、「アッツ島玉砕」からは戦争の悲惨さが伝わってくる▲「戦争絵画」の展示方法には返還時から議論がある。近代美術館はこうした点も考慮し、大規模展示よりも常設展で、時期を分けて数点を公開する方式を優先している▲芸術性とプロパガンダの両面を持つ作品群の評価は難しい。企画展は美術史の空白を埋める存在としてだけではなく、その背景も考えるよう工夫した構成に思われた▲米国から戻りすでに半世紀以上がたつ戦争絵画である。戦後80年、無期限貸与という153点の戦後は続いている。
ただ、なぜかこの展覧会に関するちらしや図録は作成されていない。






















戦争画がまとめて見られて貴重だった。藤田嗣治の上手さが群を抜いている。
これだけの展示だから図録は作成してほしかった。誰を慮っているのだろう?
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「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」
2025年7月15日(火)-9月7日(日):前期
9月9日(火)-10月26日(日):後期
10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)
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ハローダイヤル:050-5541-8600