東京銀座の巷房・2と階段下で岸本悠生展「アトリビュートとしての彫刻」が開かれている(5月17日まで)。岸本は2004年埼玉県生まれ、現在武蔵野美術大学造形学部彫刻科在学中。2024年に福岡のアーツトンネルギャラリーで初個展、今回が3回目の個展になる。
岸本の言葉、
展示台としての支持体
絵画の支持体の一種であるカンヴァスはタブローの対概念とされる壁画よりも厚みを意識する。野獣派の理論ではタブローは逸脱と脱却を行い自由を目指すものであったが、今日のタブローここでいうカンヴァスは厚みを意識させる。このカンヴァスの厚み強化していくと展示台の性質が現れる。これは支持体なのか展示台なのか、展示をするという行為によって鑑賞者と共に考えたい。



画廊に置かれている白い台のようなものは、キャンバスが厚みを増していくことで展示台の性質が現れることを示しているらしい。床に置かれた厚みの少ない「キャンバス」の中央にオブジェのようなものが置かれている。これが彫刻とその台の原初的な関係らしい。
展示台そのものを造形として提示した作家としては飯嶋桃代を思い出す。昨年ギャルリー東京ユマニテでスフィンクス像のための台座を展示していた。また西山晴恵は30年ほど前にルナミ画廊の個展で。分厚いキャンバスのタブローを展示し、翌年の個展ではキャンバスはさらに厚くなり、3年目にはキャンバスを壁から離して床に平らに置いたが、その厚みは1メートルほどになっていた。それはもう立体だった。
キャンバスの厚さを増していって彫刻の展示台に変化させるというのは面白い試みだと思う。ただ先人も似たことを発想している。似た発想自体は悪くはない。それをどのように突き詰め展開させていくかが今後の課題だろう。
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岸本悠生展「アトリビュートとしての彫刻」
2025年5月12日(月)-5月17日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
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巷房・2+階段下
電話03-3567-8727