東京日本橋室町の日本橋三越本店本館6階コンテンポラリーギャラリーで森下進士展「分断カラフル」が開かれている(8月5日まで)。森下進士は1983年生まれ、2010年東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業し、2012年同大学大学院美術研究科研究領域油画を修了している。2009年にガレリアMで初個展、2023年にギャラリー・ビー・トウキョウで2回目の個展をして、今回がやっと3回目の個展になる。
森下は植物を描いている。しかし自然の植物ではなく、人を植物で表わしている。もっと言えば、古今の名画を引用して植物に置き換えていると言ったら良いのだろうか。
1枚目の「カラフル」と題された作品は、おそらくボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」ではないだろうか。そのほかの作品もどこかで見たような構図をしている。見る人が見れば、何から引用しているのか分かるだろう。
江戸時代の国芳も人体を寄せ集めて顔を描いたし、ヨーロッパにも同じような技法の画家がいた。しかし森下はその誰とも違っている。そして彼の成功は基本的に巧みなことだ。
2回の個展を経て、日本橋三越に取り上げられたのだから画商の眼から見ても魅力的ということなのだろう。
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森下進士展「分断カラフル」
2024年7月31日(水)―8月5日(月)
10:00-19:00(最終日17:00まで)
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日本橋三越本店本館6階コンテンポラリーギャラリー
電話03-3241-3311(大代表)