東京日本橋浜町の好文画廊で柴田美智子展「触れるもの、絶対に触れないもの」が開かれている(6月9日まで)。柴田は1955年東京都江東区生まれ、1980年〜83年に美学校で菊畑茂久馬に師事している。1994年好文画廊で初個展、以来ギャラリーフレスカ、Keyギャラリー、スパンアートギャラリー、新宿眼科画廊、ギャラリー・ブロッケン、SPCギャラリー、宇フォーラムなどで個展を行ってきた。
2020年のギャラリー・ブロッケンの個展で、柴田の言葉が掲げられていた。
記憶が途切れ途切れで、はっきりとは辿れないような幼い頃に/殺されかけたことがあり、恐怖にかられて/体を真っ二つに切り分けてしまった。
どちらか片方だけでも生き延びられるようにと思ったのだ。
二つに切断された肉体は/痩せぎすの双子のようになるものかと思ったのに/片方は人に、片方は猿になった。
猿部分は壁を突き抜けて逃げ去り/人部分はそのまま捕まってしまった。
高い脚立の上と下に猿が取り付いている。上にいる猿が見下ろし、下にいる猿が登っていこうとしている。
2頭の猿は合体することを願っているのだろうか?
1階のスペースでは猿たちが天井から吊り下げられている。床の猿は死んで腐敗している過程を表しているのか。
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柴田美智子展「触れるもの、絶対に触れないもの」
2024年6月3日(月)―6月9日(日)
11:00-19:00(最終日17:00まで)
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好文画廊
電話03-3669-1957