資生堂ギャラリーの岡ともみ展を見る

 東京銀座の資生堂ギャラリーで岡ともみ展「サカサゴト」が開かれている(2月26日まで)。本展は資生堂が主催する公募プログラム「第16回shiseido art egg」入選者3名による個展の一人目。3人の個展が終ったあと、一人にグランプリが与えられる。

 岡は1992年東京都生まれ、2022年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了、現在同科博士後期課程在学中。

 資生堂ギャラリーのホームページから、

 

岡ともみは、個人の大切な思い出や消えかかっている風習など、見過ごされがちな小さな物語を封入した装置を作り、記憶を空間に立ち上げることを試みています。本展覧会では、自身の祖父の葬儀での経験から、死者が出た際に日常の様々な動作を逆に行う「サカサゴト」という風習に着目しました。インスタレーションを通じて、日本各地に残る風習を紐解き、形骸化しつつある葬送の形や死との向き合い方について再考していきます。

 


 ギャラリーには何台もの柱時計が展示されている。柱時計はよく見ると文字盤がみな左右逆転したものになっている。振り子のある空間に映像が写されていて、それらは日本各地の様々な葬式の風習を示している。解説のちらしにはそれぞれについて謂れが解説されている。その一例を下記に示す。

 

青森県の昭和大仏青龍寺や埼玉県の地蔵寺など、水子供養の寺では亡くなった子どもへの供養として風車が有名であり、境内にはたくさんの風車が回っている。風車の羽には南無・阿弥・陀・仏と一枚ずつに念が込められている。

 

 ただ、解説と併せて鑑賞しないとインスタレーションの意味が読み取りにくく、会場は暗いので解説を読むのが容易ではなかった。

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岡ともみ展「サカサゴト」

2023年1月24日(火)-2月26日(日)

11:00-19:00(日・祝は18:00まで)月曜休廊

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資生堂ギャラリー

東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F

電話03-3572-3901

https://gallery.shiseido.com/jp/