山本弘の絶交状

 1976年9月の山本弘個展にカミさんと二人で参加した。その時、山本さんが奥さんの愛子さんにDVを働いた。東京へ帰ったあと、カミさんが愛子さんに手紙を書き、弘さんのDVを批難した。間もなく弘さんから手紙が来て、それはカミさんへの絶交状だった。

 

人間として生きる基本も知らぬ外道が観念のさえづりにうつゝぬかす痴呆さにほとほと愛素も根も尽きた、不純分子は消え失せろ 以後私等との一切の交際を断つ、喝、

 

 それ以来2年間山本家を訪ねるのを遠慮した。その間に2回の個展(1,977年、1978年1月)があったが、見ずじまいだった。でも1978年10月の個展には私が一人で参加した。弘さんは大変喜んでくれた。個展会場から愛子さんと3人で山本家へ戻る途中、弘さんが愛子さんに私たちのことをいい夫婦だねと言っていた。許されたという気がしてとても嬉しかった。