ガーディアン・ガーデンの佐川梢恵・森野麻琴展を見る

 東京銀座のガーディアン・ガーデンで佐川梢恵・森野麻琴展「明日天国を離れる」が開かれている(10月22日まで)。二人展のように見えるが、実は森野麻琴は佐川梢恵が創造した架空のキャラクター。佐川は1997年生まれ、女子美術大学デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻を卒業している。ガーディアン・ガーデンの第24回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞。グランプリ受賞者に翌年の個展の機会が与えられる。

 佐川は第24回グラフィック「1_WALL」では、森野との二人で作品を作ったという設定で応募した。今回森野麻琴の存在を消してしまうことを意図した。会場の中央に四角い木の箱が立っている。これが森野麻琴だという。なんだか棺桶のように見える。その傍に布団を敷いて四六時中佐川が寝ている。画廊の周囲には佐川が描いた大きなイラストが貼られている。彼らは森野を見ているという。



 佐川は時々起き上がって簡単な身支度をし、洗面所のようなところに行って水を飲む。再び布団に戻って寝ることを繰り返す。会期中ずっとギャラリーで寝ているパフォーマンスを続けているという。

 このように作家が会場に四六時中滞在するパフォーマンスといえば、1994年の村松画廊での高井叡子の発表を思い出す。画廊の中央に置かれた棺桶に白装束で横たわっていた。自身の葬式を模しているのだった。

 Chim↑Pomの水野俊紀がヒロミヨシイギャラリーの、ギャラリー内に作った小屋でカラスやネズミと2週間ほど過ごすというパフォーマンスをしたことがあった。

 佐藤万絵子もASK?や所沢ビエンナーレ、アサヒ・アートスペースなどで、会場に滞在し、作品を作り続けるパフォーマンスを行っていた。佐川は私が見てきた会場でパフォーマンスを繰り広げる4人目の作家だった。

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佐川梢恵・森野麻琴展「明日天国を離れる」

2022年9月21日(水)―10月22日(土)

11:00-19:00(日曜・祝日休廊)

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ガーディアン・ガーデン

東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1

電話03-5568-8818

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